家電を売りたいけれど、自分では運べないため「家まで引き取りに来てもらえないか」と考えているなら、まず候補になるのは出張買取です。
ただし、出張買取は「値段が付いた家電を買い取って搬出するサービス」であり、査定0円になった家電までそのまま無料で処分してくれるとは限りません。
売れる家電は買取、売れない家電はリサイクル・自治体回収など、途中でルートを切り替える必要があります。特にエアコン・テレビ・冷蔵庫・冷凍庫・洗濯機・衣類乾燥機は家電リサイクル法の対象になるため、「売れなかったから粗大ごみ」とはできません。
家電を売るときの「引き取り」は4種類ある
「家電の引き取り」という言葉は、実際には意味が違う4つの方法に使われます。ここを分けると、自分が探すべきサービスがはっきりします。
| 方法 | どんなときに使うか | お金の流れ |
|---|---|---|
| 出張買取 | まだ使える家電を売りたいが、自分で運べない | 査定額が付けば売る側が代金を受け取る |
| 下取り | 新しい家電へ買い替える | 旧製品の価値を購入条件に反映する場合がある。条件は販売店ごとに異なる |
| 家電リサイクルの引き取り | 家電4品目を廃棄する | 原則としてリサイクル料金と収集運搬料金を負担する |
| 自治体・小型家電回収 | 4品目以外で買取できない家電を処分する | 無料・有料、回収方法とも自治体やサービスごとに異なる |
つまり、「売るために家まで来てもらう」のは出張買取、「売れない家電を処分してもらう」のは回収・リサイクルです。名称が似ていても、目的も料金も違います。
まだ使える大型家電なら出張買取から確認する
冷蔵庫・洗濯機・大型テレビなど、自力で店舗まで運びにくい家電は、買取対象になる状態なら出張買取が使いやすい方法です。
出張買取では一般に、申込み後に自宅で査定し、金額に合意すればその場で買取と搬出を行います。持ち込みや発送が不要なので、売れる家電を手間少なく手放したい人に向いています。
ただし、申込み前に次の条件を確認してください。
- 売りたい家電の品目が出張買取対象か
- 製造年の条件を満たしているか
- 住所が出張対応エリアか
- 1点から依頼できるか、最低点数があるか
- 階段や通路など搬出条件に制限がないか
- 査定不成立になった場合、家電はそのまま自宅に残るのか
たとえばセカンドストリートの大型家具・家電の出張買取では、家電は原則として製造から10年以内を対象とし、買取できない品の処分は行わないと案内しています。
「出張料無料」「搬出無料」と書かれていても、それは買取成立時のサービス条件であり、査定0円の家電を無料廃棄できるという意味ではありません。
どの買取方法が向くかまで比較したい場合は、家電をどこで売るかを店頭・出張・下取りなどに分けた記事も参考になります。
売るか引き取りに出すかは「査定できる状態か」で先に分ける
売却と処分の境目は、「古いか新しいか」だけではありません。まず、再使用できる家電として査定に出せる状態かを確認します。
売る方を先に試しやすい家電
- 通常どおり電源が入り、主要機能が使える
- 型番・製造年を確認できる
- 大きな破損や安全上の異常がない
- 再販売に必要な部品・付属品が大きく欠けていない
- 買取店の対象品目・年式条件に入っている
環境省も、比較的新しく十分に使える家電は、信用できるリユースショップで中古品として売却する方法を案内しています。
引き取り・処分へ切り替えた方がよい家電
- 発煙・異臭・異常発熱など安全上の問題がある
- 主要機能が動かず、通常の買取対象外と確認された
- 年式・品目が買取基準外だった
- 引っ越し期限などがあり、査定先を探し続ける時間がない
故障品でもジャンク扱いで売れる場合はありますが、通常買取とは条件が変わります。詳しくは動かない・壊れた家電が買取対象になるケースを確認してください。
査定0円になった家電を「そのまま引き取って」と頼めるとは限らない
出張買取を依頼するときに最も誤解しやすいのが、査定が付かなかった品の扱いです。買取店は中古品を買い取るサービスであり、家庭から出る廃棄物の回収とは制度が異なります。
そのため、事前に電話や申込み画面で、次の点まで確認しておくと安心です。
- 買取不可になった品は自宅に残るのか
- 有料回収サービスを別に提供しているのか
- 回収を依頼する場合の料金は事前に確認できるか
- 処分サービスを行う事業者として必要な許可・委託関係を確認できるか
環境省は、家庭から出る廃家電や粗大ごみを廃棄物として回収するには、市区町村の一般廃棄物処理業の許可または市区町村からの委託が必要と案内しています。古物商の許可や産業廃棄物処理業の許可だけでは、家庭ごみを自由に回収できるわけではありません。
「無料回収」「何でも引き取り」といった言葉だけで業者を選ばず、処分の場合は自治体が案内するルートか、適正な許可・委託関係を確認できる事業者を利用してください。
家電4品目は売れなければ販売店の引き取りルートを確認する
家庭用のエアコン、テレビ(ブラウン管・液晶・有機EL・プラズマ)、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機は家電リサイクル法の対象です。
これらが買取対象にならず廃棄する場合は、通常の粗大ごみとは別のルートで処理します。
同じ種類の家電へ買い替える場合
新しい製品を販売する小売業者には、買い替えに伴って排出される同種の家電4品目について引取義務があります。たとえば冷蔵庫を買い替えるなら、新しい冷蔵庫を買う販売店へ古い冷蔵庫の引き取りを依頼する流れです。
買い替えではなく処分だけの場合
処分する家電を過去に販売した小売業者が分かる場合、その小売業者に引き取りを依頼できます。購入店が分からない、遠方、廃業しているなどの場合は、お住まいの市区町村が案内する方法を確認します。
家電4品目の廃棄では、一般にリサイクル料金と収集運搬料金がかかります。販売店ごとに収集運搬料金や受付方法が異なるため、「無料引き取り」と思い込まず事前に総額を確認してください。
自分で運べる場合は、リサイクル料金を支払って指定引取場所へ直接持ち込む方法もあります。持ち込み方法を詳しく確認したい場合は、壊れた家電を持ち込みで処分する方法を参考にしてください。
家電4品目以外は自治体と販売店の小型家電回収を確認する
電子レンジ、炊飯器、掃除機、ドライヤーなど家電4品目以外の家電は、自治体の粗大ごみ・不燃ごみ・小型家電回収などで扱われることがあります。ただし、対象品目やサイズ、回収方法は自治体ごとに異なります。
家電量販店が独自に小型家電リサイクルを行っている例もありますが、無料とは限りません。2026年には、ビックカメラが一部の無料下取りを終了し、有料の小型家電リサイクル回収へ変更した例もあります。
そのため、小型家電は「量販店なら無料で引き取ってくれる」と一律に考えず、店舗・品目・サイズ・料金・持ち込み可否を確認してから持参してください。
買い替え時は「下取り」と「リサイクル引き取り」を混同しない
買い替え時には、下取りとリサイクル回収が同じ画面や売り場で案内されることがありますが、仕組みは別です。
| 項目 | 下取り | リサイクル引き取り |
|---|---|---|
| 目的 | 古い家電の価値を購入条件に反映する | 廃家電を適正なルートで処理する |
| 対象 | 販売店・商品・キャンペーン等の条件で決まる | 家電4品目など法令・サービス条件に基づく |
| 故障品 | 対象外になる場合がある | 対象品目なら故障していても廃棄ルートを利用する |
| 費用 | 査定・値引き条件による | 家電4品目はリサイクル料金・収集運搬料金が基本 |
「古い家電を持っていってくれる」という結果は同じでも、下取りなのか有料リサイクルなのかで金額は変わります。購入手続き前に、旧製品がどちらの扱いになるか確認しましょう。
家まで引き取りに来てほしいときの判断順
最後に、家電を売りつつ、できれば自宅から搬出してほしい人向けに判断順をまとめます。
- 家電の種類・型番・製造年・動作状態を確認する
出張買取の対象になる可能性を確認するための基本情報です。 - まだ使える大型家電なら出張買取へ事前査定を依頼する
年式、品目、エリア、搬出条件を確認します。 - 「買取不可だった場合の扱い」を先に聞く
査定0円の品を回収するのか、自宅に残るのかを確認します。 - 売れなければ家電4品目か、それ以外かで分ける
4品目は家電リサイクル法、それ以外は自治体・小型家電回収を確認します。 - 買い替えなら購入店の引き取り条件を確認する
下取りとリサイクル引き取りを分けて金額を確認します。 - データが残る機器は初期化・アカウント解除を行う
PC、スマホ、録画機器などはメーカー案内に沿って対応してください。
家電を売るために引き取りに来てもらいたいなら、まず出張買取を確認。売れなかった家電まで処分したいなら、その時点でリサイクル・自治体回収へ切り替えるのが安全で分かりやすい流れです。
買取対象、製造年、出張エリア、回収料金、下取り条件、小型家電の受付方法は店舗・自治体・時期によって変わります。申込みや搬出前に、利用する事業者・販売店・自治体の公式案内で最新条件を確認してください。


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