家電は売る？引き取り？不用品回収・買取・下取りの選び方ガイド

引っ越しや買い替えで家の中を見直すと、「この家電、売る？引き取りに出す？どうするのが一番いいんだろう？」と迷うことが多いです。
冷蔵庫や洗濯機のような大きな家電だけでなく、電子レンジや炊飯器などの小型家電も、いざ手放すとなると判断が難しく感じやすいところです。

さらに、家電にはリサイクルが必要なものもあり、自治体では収集していないものもあります。
知らないまま適当に業者に頼んでしまうと、料金トラブルや不法投棄など思わぬ問題につながるおそれもあるため、事前に全体像を知っておくことが大切です。

この記事では、「家電は売る？引き取り？」と迷ったときに知っておきたい、不用品回収・買取・下取り・自治体回収などの選択肢を整理し、それぞれの特徴や向いているケースをわかりやすくまとめます。
どの方法も一長一短があるため、片方を否定するのではなく、自分の状況に合った手放し方を選べるようにすることが目的です。

本ページには商品やサービスを紹介するリンクを掲載する場合があります。
価格やサービス内容、キャンペーンの有無などは日々変わることがあります。
実際に購入・利用するときは、必ず各ショップや公式サイトで最新の情報を確認したうえで、ご自身の判断で利用してください。

家電は売る？引き取り？まず全体の選択肢と考え方を整理しよう

最初に、「家電は売る？引き取り？」と迷ったときに選べる主なルートを整理しておきます。
大まかには、次のような方法があります。

• 買取：リサイクルショップ・出張買取サービスなどで家電を買い取ってもらう。
• 下取り：新しい家電を購入するときに、古い家電を引き取って値引きなどに使ってもらう。
• 不用品回収業者：家まで来てもらって家電をまとめて回収してもらう。
• 自治体の粗大ごみ・小型家電回収：市区町村が行う粗大ごみ収集や小型家電ボックスなどを利用する。
• フリマアプリ・ネットオークション：メルカリなどを使って個人間で売買する。

これらのどれが正解ということではなく、「どの家電を」「どれくらいの手間と時間をかけて」「どこまで費用をかけるか」によって最適な方法が変わります。

判断するときの軸としては、次の3つを意識しておくと整理しやすくなります。

• 家電の状態：新しい・人気モデル・きれい → 売れる可能性がある。古い・壊れている → 処分やリサイクル中心で考える。
• かけられる手間と時間：梱包や発送を自分でできるか。見積もりや立ち会いの時間をどれくらい取れるか。
• 処分にかけられる費用：回収やリサイクルに料金がかかる場合がある。無料だけを基準にしないことも大切。

ここから先は、「売る」「引き取り」「下取り」という3つの方向に分けて、それぞれのメリット・注意点を見ていきます。

家電を「売る」選択肢｜買取とフリマ・ネット販売の基本

「まだ使える家電だから、できれば売りたい」という人にとって、有力な方法が買取やフリマアプリです。
ここでは、「買取サービス」と「個人売買（フリマ・ネットオークション）」に分けてポイントを整理します。

リサイクルショップ・出張買取で家電を売る

リサイクルショップや家電の買取専門店では、店頭に持ち込んで査定してもらう方法と、スタッフが自宅まで来てくれる出張買取があります。

一般的に、次のような家電は買取対象になりやすいとされています。

• 製造年が比較的新しい（目安として数年以内のものが多い）。
• 人気メーカー・人気シリーズである。
• 説明書やリモコン、付属品がそろっている。
• 目立つ傷や汚れが少なく、動作に問題がない。

買取のメリットは、その場で現金化しやすいことと、自分で買い手を探さなくてよいことです。
一方で、店舗ごとに査定基準が異なるため、同じ家電でも買取金額が変わる可能性があります。
時間に余裕があれば、複数店舗で査定してもらうのも一つの方法です。

フリマアプリ・ネットオークションで家電を売る

メルカリなどのフリマアプリやネットオークションを使って家電を出品する方法もあります。
うまくいけば、買取サービスより高い金額で売れる場合もあります。

ただし、家電をフリマで売る場合には、次のような点に注意が必要です。

• 梱包・発送の手間：大型家電は梱包が大変で、専用の配送サービスが必要になることもあります。
• 動作不良のトラブル：発送後に「動かない」「届いた状態が違う」といったトラブルになることを避けるため、状態説明はできるだけ丁寧にする必要があります。
• 受け渡し方法：近くの方と直接受け渡しをする方法もありますが、日時調整などが必要になります。

フリマは、「多少の手間をかけても、できるだけ高く売りたい」という人に向いています。
逆に、引っ越しまで時間がない場合や、大きな家電を複数処分したいときには、他の方法も一緒に検討したほうが安心です。

地元掲示板サービスなどで引き取り手を探す

地元の掲示板サービスや地域のコミュニティアプリでは、近くの人同士で家電を譲り合うこともあります。
大型家電でも、相手が車で取りに来てくれる場合は、発送の手間がありません。

一方で、初対面の人と直接やり取りをするため、時間の調整や受け渡し場所の安全などに注意が必要です。
自宅で受け渡しをする場合は、複数人がいる時間帯を選ぶなど、自分の身を守る工夫も意識しておきたいところです。

「家電を売る」ほうが向いているケース

まとめると、次のような条件に当てはまる場合は、「家電を売る」方向で考える価値があります。

• 製造年が新しく、まだ十分使える家電である。
• 人気メーカーや人気モデルである。
• 引っ越しまで多少時間があり、査定や出品の手間をかけられる。
• できるだけ費用をかけずに手放したい。

反対に、壊れている家電や、かなり古いモデルは、買取対象にならないことも多く、その場合は次に紹介する「引き取り」や「下取り」のほうが現実的な選択肢になります。

家電を「引き取り」してもらう選択肢｜不用品回収・自治体・家電量販店

「家電は売る？引き取り？」で迷ったとき、売るのが難しい家電や、とにかく早く片付けたいときに役立つのが「引き取り」の選択肢です。
ここでは、家電リサイクル法との関係も含めて整理します。

家電リサイクル法の対象4品目は「正しいルート」で処分する

次の4つの家電は、法律によりリサイクルすることが定められています。

• エアコン
• テレビ（ブラウン管・液晶・プラズマ）
• 冷蔵庫・冷凍庫
• 洗濯機・衣類乾燥機

これらの家電は、自治体の粗大ごみとしては収集していない地域が多く、家電量販店や購入したお店などを通じてリサイクルに出す必要があります。
買い替えのときは、新しい家電を購入する店舗に「古い家電の引き取り」を一緒に依頼できることが一般的です。

リサイクルには、リサイクル料金と、収集運搬を依頼する場合は収集運搬料金がかかることがあります。
金額や受付方法は店舗や地域によって異なるため、事前に公式サイトや店頭で確認しておくと安心です。

家電量販店の引き取りサービスを利用する

大手家電量販店では、買い替え時の引き取りだけでなく、引き取りのみのサービスを行っているところもあります。

一般的な流れの一例は次のとおりです。

1. 店舗やオンラインショップで新しい家電を購入する。
2. 注文時に「古い家電の引き取り」を申し込む。
3. 配送日に、設置と同時に古い家電を回収してもらう。

この方法のメリットは、買い替えと処分を一度に済ませられることと、リサイクル法に沿った処理をしてもらえる安心感があることです。
大型家電を自分で運ぶ必要もないため、力仕事が不安な人にも向いています。

自治体の粗大ごみ回収・小型家電回収を使う

家電リサイクル法の対象外の家電（電子レンジ・炊飯器・掃除機など）は、自治体の粗大ごみとして出せる場合があります。
また、スマホや小型の家電については、小型家電の回収ボックスを設置している自治体も増えています。

一般的な粗大ごみ回収の流れは、次のようなイメージです。

1. 自治体のサイトや案内で、粗大ごみの申し込み方法を確認する。
2. 電話やインターネットで収集を予約する。
3. 指定の日に、決められた場所に出しておく。

自治体によって、手数料の金額や品目の扱いが異なります。
必ずお住まいの地域の案内を確認して、ルールに沿って出すようにしましょう。

不用品回収業者にまとめて引き取ってもらう

引っ越しなどで大量の家電や家具を一度に片付けたいときは、不用品回収業者を利用する方法もあります。
日時を指定して自宅まで来てもらえるため、スピード重視の人には便利な選択肢です。

ただし、不用品回収業者を選ぶときには、次の点に注意する必要があります。

• 自治体の許可を受けているかどうか（一般廃棄物処理業の許可や委託の有無など）。
• 料金体系がわかりやすく説明されているか（見積もりと請求額が大きく変わらないか）。
• 「無料回収」を強くうたっていないか（あとから高額請求になるトラブル事例も報告されています）。

回収業者を利用するときは、「安さ」だけで選ばず、許可や説明の丁寧さなども含めて慎重に比較することが大切です。

家電の「下取り」サービス｜新品購入とセットでラクに手放す

新しい家電に買い替えるタイミングで便利なのが、家電量販店やメーカーが行っている「下取りサービス」です。

下取りと買取の違いをシンプルに整理

似ている言葉ですが、「下取り」と「買取」には次のような違いがあります。

• 下取り：新しく購入する家電の代金から、古い家電の価値分を差し引いてもらう仕組み。
• 買取：古い家電を売り、その代金を現金やポイントなどで受け取る仕組み。

どちらも「家電を手放して価値をお金に変える」という点では同じですが、下取りは購入とセット、買取は売却だけでも利用できるという違いがあります。

下取りのメリット

下取りサービスには、次のような良さがあります。

• 買い替えと処分を同時に進められるので、スケジュールが組みやすい。
• 手続きがシンプルで、初めての人でも利用しやすい。
• キャンペーン期間中は、通常よりお得な条件になることもある。

一方で、下取りの金額は、フリマアプリや一部の買取サービスと比べて高くならない場合もあります。
「できるだけ手間をかけずにスムーズに買い替えたい」という人に向いた方法です。

下取りを利用するときの注意点

下取りには、次のような条件が設けられていることが多いです。

• 対象となる家電のメーカー・シリーズ・年式が決まっている。
• 同じ店舗やグループでの購入が条件になっている。
• 壊れている場合、下取り対象外になることがある。

利用を検討するときは、各サービスの公式サイトや店舗で条件を事前に確認しておくことが大切です。

家電は売る？引き取り？不用品回収・買取・下取りの比較チェック表

ここまでの内容を、簡単な比較表でまとめます。
状況に合わせて、どの方法が自分に合うか考えるときの参考にしてください。

方法	費用・金額のイメージ	手間	スピード	向いているケース
買取（ショップ）	状態がよければお金になる。	持ち込み・査定の手間あり。	その場で売れることもある。	新しめの家電をなるべく楽に売りたい。
フリマアプリ	高めの価格になる可能性もある。	出品・梱包・発送などの手間が大きい。	買い手が見つかるまで時間が読みにくい。	時間に余裕があり、できるだけ高く売りたい。
下取り	購入代金から値引きされる形。	手続きは比較的シンプル。	買い替えと同時に片付く。	新しい家電を買いながら楽に処分したい。
家電量販店の引き取り	リサイクル料金＋収集運搬料がかかる場合がある。	予約して回収をお願いするだけで済む。	配送日にまとめて対応してもらえる。	大型家電を安全に運び出してほしい。
自治体の粗大ごみ・小型家電回収	自治体が定める手数料がかかる。	予約・シール購入・指定場所への搬出が必要。	回収日は自治体の予定に合わせる。	家の近くでルールに沿って処分したい。
不用品回収業者	量や内容に応じた料金がかかる。	見積もりと回収の立ち会いが必要。	都合のよい日程を指定しやすい。	家電以外も含めて一度に片付けたい。

このように、「家電は売る？引き取り？」と考えたときは、何を優先したいか（お金・手間・スピード・安心感）を整理すると、自分に合った方法が見えやすくなります。

トラブルや後悔を防ぐために知っておきたいポイント

家電の処分方法を選ぶときには、お得さだけでなく、安全性や安心感も大切です。
ここでは、特に注意しておきたいポイントをまとめます。

無許可の不用品回収業者に注意する

「無料で家電を回収します」といった呼びかけでトラックが巡回したり、チラシやネット広告で「激安・無料回収」をうたう業者が見られることがあります。
中には、自治体の許可を受けずに回収を行い、あとから高額な料金を請求したり、不法投棄につながるケースも指摘されています。

一般的に、ごみや家電を回収するには自治体の許可や委託が必要とされており、「産業廃棄物の許可」や「古物商の許可」だけでは、家庭ごみの回収はできないと案内されている自治体もあります。

不用品回収業者を利用するときは、公式サイトや自治体の案内などで、許可を受けているかどうか、料金体系がわかりやすいかを事前に確認することが大切です。

家電リサイクル券・領収書は保管しておく

家電リサイクル法の対象となる家電を処分したときは、家電リサイクル券や、回収を依頼した店舗の領収書などが発行されます。
これらは、「きちんとリサイクルに出した」という記録にもなるため、すぐには捨てず一定期間保管しておくと安心です。

データ入り家電の初期化・データ消去を忘れずに

HDD内蔵テレビや録画機、パソコン、スマートフォンなど、個人情報が保存されている機器を手放すときは、データの扱いに注意が必要です。

• 取扱説明書や公式サイトに書かれている手順に従って初期化する。
• 必要に応じて、専門サービスによるデータ消去を検討する。

データの消去は見た目では分かりにくいため、「自分でできたと思えるレベルまでしっかり対応する」ことが大切です。

搬出時の事故や破損リスクも考えておく

大型の冷蔵庫や洗濯機を自分で運び出すときは、階段や廊下での転倒・壁の傷などのリスクがあります。

• 2人以上で作業をする。
• 通路の荷物を片付け、動線を確保しておく。
• 不安なサイズや重量の場合は、無理をせず業者や配送サービスに任せる。

「売る」「引き取り」「下取り」のどの方法を選ぶにしても、安全に搬出できるかどうかは重要なポイントです。

家電の種類別｜「売るか引き取りか」のおすすめパターン

最後に、「家電は売る？引き取り？」と迷いやすい代表的な家電について、考え方の一例をまとめます。

冷蔵庫・洗濯機・エアコン・テレビなどの大型家電

これらの家電は、家電リサイクル法の対象になっているものが多く、かつ重量もあるため、無理に自力で処分しようとしないことが大切です。

• まだ新しい場合：買取や下取りを検討する。
• 古い・故障している場合：家電量販店の引き取りや、家電リサイクル受付窓口を通じた処分を優先して考える。

大型家電は、買い替えと同時に下取り・引き取りを頼むと、搬出も含めて任せられるため、負担を抑えやすくなります。

電子レンジ・炊飯器・掃除機などの小型家電

小型の家電は、製造年が新しく状態がよいものであれば、リサイクルショップやフリマアプリで売れる可能性があります。

• きれいで新しいもの：買取・フリマで「売る」選択肢を検討。
• 古い・汚れが目立つもの：自治体の粗大ごみや小型家電回収ボックスなどに出す方法も視野に入れる。

箱や説明書が残っていると、売りやすくなる場合がありますが、なくても買取や販売ができるケースもあります。
状態や手間のバランスを見て選びましょう。

壊れている・かなり古い家電

明らかに壊れていて動かない家電や、かなり前のモデルの家電は、買取金額がつかない、または買取不可になることも少なくありません。

その場合は、リサイクル法に沿ったルートや、自治体・家電量販店を通じた処分を優先的に考えると、安心して手放しやすくなります。

どうしても判断が難しい場合は、お住まいの自治体の窓口や、家電量販店、家電リサイクル券の受付窓口などに相談すると、具体的な手続きの流れを案内してもらえることがあります。

まとめ｜自分に合った「家電の手放し方」を選ぼう

「家電は売る？引き取り？」というテーマは、一見シンプルに見えて、家電の種類・状態・住んでいる地域・スケジュールによって、最適な答えが変わる奥深い話題です。

あらためてポイントを整理すると、次のようになります。

• まだ新しくて人気のある家電は、買取やフリマアプリで「売る」ことも検討する価値がある。
• 買い替えのタイミングでは、下取りや家電量販店の引き取りを使うと、設置と同時に片付いて負担を減らしやすい。
• 古い・壊れている家電は、リサイクル法や自治体のルールに沿ったルートで処分することで、環境面でも安心感が高まる。
• 不用品回収業者を利用するときは、許可や料金の説明などをよく確認し、納得できるところを選ぶ。

どの方法を選ぶにしても、「安さ」や「楽さ」だけで決めず、安全性や信頼性も含めて総合的に考えることが大切です。

この記事の内容は、家電を手放すときの考え方の一例としてまとめたものです。
実際の手続きや料金、サービス内容は地域や店舗によって異なります。
必ず各自治体・店舗・公式サイトなどで最新の情報を確認し、ご自身の判断と責任で行動するようにしてください。