2026年7月にソニーから「FX5」が発表され、「FX6の後継機がついに出たのでは?」と感じた人もいるかもしれません。
ところが、型番がFX6に近いからといって、FX5をそのままFX6の後継機と考えるのは少し危険です。FX5は新しいセンサーや内部RAW記録、オープンゲート撮影に対応する一方、FX6が得意とする電子式可変NDフィルターや12G-SDIを中心とした現場運用とは方向性が異なります。
2026年7月24日時点で、ソニーから「FX6 II」などFX6の直接的な後継機は正式発表されていません。
この記事では、FX5をFX6の後継機と考えてよいのか、現行FX6を今買ってもよいのかを、画素数だけではなく「撮影現場で何が変わるか」を基準に整理します。
先に結論|必要な撮影環境から選ぶ早見表
| 重視する撮影環境 | 現時点の選択肢 | 判断理由 |
|---|---|---|
| 電子式可変NDとSDIを日常的に使う | 現行FX6 | 屋内外を移動する撮影や外部モニター接続に向いている |
| ジンバル・手持ち・狭い場所で撮りたい | FX5 | 小型ボディと5軸ボディ内手ブレ補正を利用できる |
| オープンゲートや内部RAWを優先する | FX5 | 5KオープンゲートとX-OCNの本体内記録に対応する |
| FX6の操作性を保ったまま新型センサーが欲しい | 正式な後継機を待つ | FX5では端子やND、バッテリー構成がFX6と異なる |
| 数カ月以内に業務案件で必要 | FX6購入またはレンタル | 未発表製品の発売時期は読めないため |
正直なところ、FX6の後継機を探している人が最初に見るべきなのは、センサーの新しさではありません。
電子式可変ND・SDI・業務用電源の3つを手放せるかが、FX5とFX6を分ける大きなポイントです。
新製品を見たら最初に確認する3ステップ
「FX6より後に発売されたから、FX5のほうが上」と考えると、撮影現場で必要な機能を失う可能性があります。買い替えを考える場合は、次の順番で確認しましょう。
1.製品名が後継型番なのか確認する
FX5は「FX6 II」でも「FX6 Mark II」でもありません。ソニーが2026年7月22日に発表した、新しいCinema Lineカメラです。
FX6の直接的な後継機であれば、通常は製品発表時にFX6との関係や置き換えについて案内されると考えられます。今回の公式発表ではCinema Lineのラインアップを拡充する製品として紹介されており、FX6の販売も継続されています。
2.現在の現場で外せない機能を書き出す
まずは次の中から、なくなると困るものを選んでみてください。
- 電子式可変NDフィルター
- 12G-SDI出力
- BNC端子によるタイムコード入出力
- XLR音声入力
- BP-Uシリーズのバッテリー運用
- 長時間撮影を前提とした電源構成
- ボディ内手ブレ補正
- 内部RAW記録
- オープンゲート撮影
上半分を重視するならFX6寄り、下半分を重視するならFX5寄りです。
3.新機能ではなく撮影工程が短くなるかを見る
新しい機能が搭載されていても、撮影から納品までの工程が増えるなら、必ずしも買い替えが成功とは限りません。
たとえば内部RAWは外部レコーダーを減らしやすい一方、データ容量、対応メディア、パソコン性能、編集ソフトとの相性を確認する必要があります。
反対にFX6の電子式可変NDは、スペック表では地味に見えても、屋外から屋内へ移動するワンオペ撮影では大きな時短につながります。
FX5はFX6の後継機ではなく役割の異なる新モデル
FX5には、FX6より新しい世代の技術が数多く採用されています。
- 新開発の約1660万画素フルサイズ積層型CMOSセンサー
- AI処理機能を統合したBIONZ XR2
- 最大5K 60pの記録
- 3:2のオープンゲート撮影
- X-OCNのカメラ内記録
- 5軸ボディ内手ブレ補正
- 3つのベースISO
- 最大96kHz・32bit floatの音声記録
ここだけを見るとFX6を超えているように感じます。ここで気になるのが、撮影機としての基本設計です。
FX5はFX3に近い小型ボディを土台としながら、内部RAWや有線LAN、タイムコード入力といった制作機能を強化したモデル。一方のFX6は、電子式可変NDやSDI、BNC端子、BP-Uバッテリーなどを備えたカムコーダー型です。
つまり、単純な上下関係ではありません。
FX5は「小型撮影システムを高機能化したカメラ」、FX6は「撮影現場の運用を一台でまとめやすいカメラ」と考えると違いが見えやすくなります。
FX5とFX6の違いを現場目線で比較
| 比較項目 | FX5 | FX6 |
|---|---|---|
| 発売時期 | 2026年8月21日予定 | 2020年12月 |
| 撮像素子 | 約1660万画素・フルサイズ積層型 | 約1026万画素・フルサイズ裏面照射型 |
| 最大記録 | 5K 60p、4K 120p、フルHD 240p | 4K 120p、HD 240p |
| オープンゲート | 対応 発売時はX-OCN記録時 |
非対応 |
| 内部RAW記録 | X-OCNに対応 | 外部RAW出力に対応 |
| 電子式可変ND | 公式仕様に搭載記載なし | 搭載 |
| 映像出力 | HDMIタイプA | 12G-SDI・HDMI |
| タイムコード | 別売USB-C-BNCケーブルで入力 | BNC端子で入力・出力 |
| 手ブレ補正 | 5軸ボディ内手ブレ補正 | 対応レンズや手ブレ補正メタデータを活用 |
| XLR音声入力 | 専用XLRハンドル使用時 | 付属ハンドルに2系統 |
| 使用バッテリー | NP-SA100 | BP-Uシリーズ |
| 本体質量 | 約643g | 約890g |
| ボディ希望小売価格 | 812,900円 | 935,000円 |
価格だけを見るとFX5とFX6の差は大きくありません。XLRハンドル同梱のFX5は希望小売価格900,900円なので、現行FX6のボディ価格に近い設定です。
だからこそ「新しいほうを選べばよい」とは決められません。レンズ以外の周辺機器をそろえ直す費用まで含めて考える必要があります。
価格、在庫、キャンペーン、付属品は販売店や購入時期によって変わるため、購入前に公式案内を確認してください。
FX5が新しくてもFX6の代わりにならない理由
電子式可変NDは撮影テンポを左右する
FX6の電子式可変NDフィルターは、被写界深度やシャッタースピードを大きく変えずに光量を調整できます。
屋外から室内へ入る撮影、雲の動きで明るさが変化する撮影、移動しながら人物を追う撮影などでは、レンズ前のNDフィルターを交換する手間を減らせます。
ぶっちゃけ、作品撮りで一つのカットを丁寧に作るなら外付けNDでも対応できます。ところが、撮り直しにくい取材やイベントでは、内蔵NDの有無が撮影成功率や操作の余裕に影響します。
SDIはHDMIより上という単純な話ではない
FX6には12G-SDIがあり、FX5の公式仕様では映像出力としてHDMIタイプAが案内されています。
SDIはBNC端子で固定しやすく、長いケーブルを使う撮影システムや業務用モニター、スイッチャーとの接続で扱いやすいのが特徴です。
短いケーブルでジンバルや小型モニターに接続するなら、HDMIでも運用できます。問題は、現在所有している周辺機器や撮影現場がどちらを前提にしているか。
FX6で組んだシステムをFX5へ移す場合は、変換機器やケーブルの追加が必要になる可能性があります。
バッテリーが変わると予備電源も入れ替わる
FX6はBP-Uシリーズ、FX5は新しいNP-SA100を使用します。
FX6用に複数のBP-Uバッテリーや充電器を所有していても、FX5へそのまま移行できるわけではありません。カメラ本体だけでなく、予備バッテリー、充電器、外部給電、収納方法まで変わります。
長時間収録では、カタログ上の撮影可能時間だけでなく、休憩中に充電できるか、交換のタイミングを作れるかまで確認しておきたいところです。
公式仕様の数字を撮影シーンに読み替える
5Kオープンゲートは縦動画にも使いやすい
FX5のオープンゲートは、3:2のイメージセンサー全体を使用して記録する機能です。
横長の映像から縦動画を切り出したり、16:9と9:16を同じ素材から作ったり、編集時に上下の画角を調整したりしやすくなります。
ただし、発売時点のオープンゲートはX-OCN記録時に限られます。通常の撮影形式と同じ感覚で使えるとは限らないため、メディア容量と編集環境の事前確認が必要です。
内部RAWは機材を減らせてもデータは軽くならない
FX5はソニー独自の16bitシーンリニアRAW形式「X-OCN」をカメラ内で記録できます。
外部レコーダーを使わずにRAW収録できる点は、ジンバルや小型リグで有利です。一方、長時間収録では記録メディアの容量、バックアップ時間、保存用ストレージが増える可能性があります。
X-OCN C1・C2はデータ量を抑える目的で用意されていますが、撮影前に編集ソフトやプラグインの対応状況を確認しておきましょう。
3つのベースISOは暗所専用機能ではない
FX5ではISO800、ISO4000、ISO12800の3つのベースISOが案内されています。
明るい屋外、一般的な室内、暗い会場など、撮影環境に合わせて基準感度を選びやすくなる設計です。
とはいえ、ISO12800を選べば常にきれいに撮れるわけではありません。照明条件、露出、使用する記録方式、ポスト処理によって仕上がりは変わります。
ボディ内手ブレ補正は内蔵NDの代わりではない
FX5の5軸ボディ内手ブレ補正は、手持ち撮影やジンバルを使わない小規模撮影で役立ちます。
一方、手ブレ補正はカメラの揺れを抑える機能であり、明るさを調整するNDフィルターとは目的が異なります。
「歩きながら撮りたい」のか、「屋内外を移動しながら露出を保ちたい」のか。似ているようで、必要な機能は別です。
注意|FX5・FX5B・FX6V・FX6VKの型番を間違えない
| 型番 | 主な内容 |
|---|---|
| ILME-FX5 | XLRハンドルユニット同梱モデル |
| ILME-FX5B | FX5ボディのみ |
| ILME-FX6V | FX6ボディモデル |
| ILME-FX6VK | FX6とFE 24-105mm F4 G OSSのセット |
末尾の文字は性能世代を示しているとは限りません。FX5Bの「B」はFX5の上位版や後期型という意味ではなく、XLRハンドルが付属しないボディモデルです。
同じように、FX6VKはFX6の改良版ではなくレンズ付属モデル。販売ページを見るときは、本体の世代と同梱品を分けて確認しましょう。
なお、「FX3A」もFX3 IIではありません。モニターなどの部品変更を伴うモデルであり、世代交代型番と混同しないことが大切です。
FX6の後継機を待ったほうがよい人
次の条件に複数当てはまるなら、現行FX6やFX5へ急いで買い替えず、正式な新製品情報を待つ選択肢があります。
- 現在のFX6が問題なく稼働している
- 電子式可変NDとSDIを外せない
- オープンゲートや内部RAWも必要になってきた
- BP-Uバッテリーを大量に所有している
- 100万円前後の投資を急ぐ必要がない
- 既存リグやケージを買い直したくない
- 予備機を含めた複数台運用を統一したい
このタイプの人が求めているのは、FX5ではなく「FX6の運用性を維持しながら、新世代のセンサーや記録方式を加えたカメラ」でしょう。
ただし、FX6の後継機がいつ発表されるかは確認できません。撮影案件の予定が決まっている場合は、未発表製品を前提に機材計画を組まないほうが安全です。
現行FX6を今買ってもよい人
現行FX6は2020年発売ですが、2026年3月にも本体ソフトウェアVer.6.00が公開されています。発売年だけを理由に、すぐ使えなくなる機種と考える必要はありません。
次の用途では、現在もFX6を選ぶ理由があります。
- ドキュメンタリーや取材で屋内外を頻繁に移動する
- イベントやライブでSDI接続を使う
- 複数カメラをタイムコードで同期する
- XLR音声を標準構成で扱いたい
- BP-Uバッテリーで長時間撮影したい
- 外部レコーダーを含めた既存システムが完成している
特に業務用途では、新しいセンサーより「接続したらすぐ使える」「交換用機材を現場で借りやすい」といった運用面が重要になることもあります。
FX6ではなくFX5を選びやすい人
次の条件なら、FX6の後継機を待つよりFX5を選ぶほうが、撮影スタイルに合う可能性があります。
- 少人数またはワンオペで撮影する
- ジンバル、車載、ドローン、狭い場所で使う
- 縦動画と横動画を同じ素材から作りたい
- 外部レコーダーなしでRAW収録したい
- ボディ内手ブレ補正を重視する
- 人物認識AFを積極的に使う
- HDMI中心の小型システムで問題ない
FX5はFX6の廉価版というより、制作工程を小型ボディに集約した別方向のカメラです。
電子式可変NDやSDIが不要なら、FX5のほうが新しい撮影方法へ対応しやすいケースもあります。
買い替え前チェック|ここで止まりやすい10項目
- 使用中のEマウントレンズが目的の記録モードに対応するか
- 外付けNDフィルターを追加しても運用できるか
- SDIからHDMIへ変更して問題ないか
- タイムコードは入力だけで足りるか
- XLRハンドルが同梱される型番か
- 使用中のBP-Uバッテリーを流用できなくてもよいか
- 必要な記録方式に対応するメモリーカードを持っているか
- X-OCNを編集できるパソコンとソフトがあるか
- リグ、ケージ、プレートを買い直す必要がないか
- 本体価格だけでなく周辺機器を含めた予算を計算したか
一つでも確認できない項目がある場合は、購入前に公式仕様と販売店の案内を照合してください。
Eマウントレンズは共通でも、バッテリー、端子、ケージ、ハンドルまで共通とは限りません。
FX6 後継機についてよくある質問
FX5はFX6の後継機ですか?
FX5はFX6 IIという名称ではなく、FX6の直接的な後継機として発表された製品でもありません。小型ボディ、内部RAW、オープンゲート、ボディ内手ブレ補正を重視した新しいCinema Lineカメラです。
FX6 IIはいつ発売されますか?
2026年7月24日時点で、ソニーからFX6 IIの発売日や製品仕様は正式発表されていません。噂や予想はありますが、購入計画では公式発表と分けて考える必要があります。
FX5とFX6ではどちらが上位ですか?
単純な上下関係では判断しにくい組み合わせです。センサー、内部RAW、オープンゲート、手ブレ補正はFX5が新しく、内蔵ND、SDI、タイムコード入出力、業務用電源はFX6が充実しています。
FX6は古いので今から買わないほうがよいですか?
発売から年数は経過していますが、電子式可変NDや12G-SDIなど、FX5では置き換えにくい機能があります。必要な案件があり、FX6の端子と操作性が合うなら、発売年だけで候補から外す必要はないでしょう。
FX6を持っている場合、FX5へ買い替える価値はありますか?
完全な置き換えより、撮影内容によって使い分ける考え方が現実的です。FX6をメインカメラ、FX5をジンバルや狭い場所用のカメラとして組み合わせる方法もあります。
FX6の中古を買ってもよいですか?
中古では外観だけでなく、端子の状態、冷却ファン、液晶、ND動作、記録スロット、付属ハンドル、グリップ、使用時間などを確認したいところです。保証内容や業務使用時の修理期間も販売店に確認しましょう。
まとめ|FX6の後継機を待つかはND・SDI・電源で決める
2026年7月24日時点では、FX6 IIなどFX6の直接的な後継機は正式発表されていません。
新しく発表されたFX5は、5Kオープンゲート、内部X-OCN、積層型センサー、AI被写体認識、ボディ内手ブレ補正を備えた魅力的なモデルです。ただし、FX6の電子式可変ND、12G-SDI、BNCタイムコード入出力、BP-Uバッテリーをそのまま引き継ぐ機種ではありません。
迷ったときの最終判断ポイントはシンプルです。
- 電子式可変NDとSDIが必要なら現行FX6
- 小型化、内部RAW、オープンゲートを重視するならFX5
- 両方を一台に求めるなら正式なFX6後継機を待つ
正直なところ、カメラの新しさより、撮影中に設定や機材交換で止まらないことのほうが重要です。現在の撮影工程を書き出し、機能を一つずつ置き換えられるか確認してから選びましょう。
これは一つの考え方です。最終判断は撮影内容や所有機材に合わせてご自身で行い、購入前にはソニー公式の製品仕様、対応アクセサリー、保証内容、最新アップデート情報も確認してください。

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