先に結論。
「ミラーレス一眼を中古で買う」ときは、①使い道(静止画/動画/旅行/サブ機)を決める → ②マウントとレンズ資産を確認 → ③買う場所と保証を選ぶ → ④現物チェック(センサー・シャッター・操作系・記録系・外観・付属品)の順で見ると失敗が減ります。
本文では、専門店/量販店中古/フリマ・オークション/個人取引の違い、シャッター回数・センサー汚れの見方、返品・保証・相場の考え方まで、やさしい言葉で整理します。
断定や誇張は避け、正確で確かな情報を基にまとめています。
ミラーレス一眼を中古で買う「買い方ルート」の比較
中古の買い方は、①専門店/量販店の中古、②フリマ・オークション、③個人間取引に大きく分かれます。
価格だけでなく、初期不良の対応・返品条件・保証の有無で選ぶと安心です。
買い方 | メリット | 注意点 | こんな人に |
---|---|---|---|
専門店・量販店の中古 | 動作チェック済み・保証つきの例が多い。 店舗スタッフの点検やグレード表記があり、初心者でも状態を判断しやすい。 |
同等状態でもフリマより価格が上がることがある。 | 初めての中古、保証重視の人。 |
フリマ・オークション | 掘り出し価格が見つかることがある。 落札履歴で相場の中央値を探りやすい。 |
真贋・初期不良のリスク。返品・補償は出品者やプラットフォーム規約次第。 | 価格重視・自己チェックに慣れている人。 |
個人間取引(知人など) | 状態や履歴を直接聞けることがある。 | 書面保証がない場合が多い。 後日のトラブル回避に現物確認と条件の明文化が大切。 |
相手の信頼性が高く、条件交渉ができる人。 |
※店舗・時期・商品条件により保証期間や返品条件は変わります。購入前に最新の規約を必ず確認してください。
まず決めるべきこと|マウント・レンズ資産・サポート状況
①マウント(レンズの口径規格)を先に決めると、後の迷いが減ります。将来ほしいレンズ(純正/社外AF)や、手ぶれ補正・小型軽量の選択肢があるかを確認します。
②メーカーのサポート状況も見ておくと安心です。メーカーには修理対応期間が終了した製品リストがあり、該当機種は点検や修理が受けにくい場合があります。
③ファームウェア(内部ソフト)は中古だと古いままのことがあります。購入後に最新化できるか公式手順を確認しておくとスムーズです。
中古チェックの流れ|6ポイントを順番に見る
- センサー状態(汚れ/傷/ホットピクセル)
- シャッター回数と方式(メカ/電子・電子先幕)
- ボディ外観と操作系(ダイヤル・ボタン・マウント部)
- 記録系・電源(カードスロット/電池/充電端子)
- 液晶・EVF・端子・通信(表示/接点/アプリ連携)
- 付属品(充電器/純正バッテリー/ボディキャップ/取説)
「白い壁や空を絞って撮る → 暗所の長秒を試す」など、簡単なテストで気づける点が多いです。センサー清掃はメーカーの注意点に従い、無理はしないのが安全です。多くの機種にあるピクセルマッピング(明るい点の補正)機能が役立つ場面もあります。
センサーとシャッターのチェック|実例ベースでやさしく説明
センサー汚れ・ホットピクセルの簡易チェック
- レンズを付け、絞りF16〜F22・広角側で白壁や空を撮影。黒点が一定位置に出るならセンサー表面のホコリの可能性。
- 高ISOで数秒の暗所露光を撮影。固定位置で点が出るならホットピクセルの可能性。機種によってはピクセルマッピングで軽減できることがあります。
- 清掃はまずブロアー中心。センサー面に触れない・差し込みすぎない・電源OFFで作業など、基本を守ります。
シャッター回数の考え方(目安の扱い)
シャッター回数はあくまで参考です。メーカーが明確な耐久回数を公表しない機種もあります。公称や記事の言及があっても、使用環境・メンテ状況・個体差で結果は変わります。
回数だけで判断せず、動作の安定性・メカ音の異常・露出やAFの安定・過熱の注意喚起などを総合で見ましょう。連写や動画記録を短時間試して、挙動を確認できると安心です。
一部のミラーレスは電子シャッター主体でメカ部の負担が少ない設計もあります。ただしローリングシャッターやフリッカー対策など別の配慮点もあるため、用途に合わせて試写して判断してください。確実なメーカー公表値がないときは、「確実な情報は確認できませんでした」と扱い、実機の動作で見極めます。
避けたい状態・狙い目の状態|中古の見極めコツ
- 避けたい状態:水没歴/端子やネジの腐食/分解痕/レンズマウント部のガタ/強いタバコ臭/ファームが極端に古い/非純正バッテリーのみ。
- 狙い目:ワンオーナー表記/屋内使用中心/シャッター回数が少なめ/店舗の動作保証や返品可/純正付属がそろっている個体。
海外版・並行輸入品は、国内保証や修理受付の対象外・条件差がある場合があります。事前にメーカーの保証規定を確認しましょう。
返品・保証・相場の見方|「安心料」をどう考える?
返品可否・期間・往復送料・自然故障の定義・上限額など、保証規定は必ず読みます。店舗は規約ページに詳細がある場合が多いです。購入後に想定外の負担が出ないよう、ひととおり確認してから決めると安心です。
相場は、落札履歴や過去の平均が見られるサービスで中央値と直近トレンドをチェックすると把握しやすいです。店舗保証分の上乗せを「安心料」として評価するのが現実的です。
用途別の選び方ミニガイドと購入後の初期セットアップ
用途別ミニガイド
- 中古 フルサイズ 入門:静止画中心。高感度やダイナミックレンジの傾向と、入手しやすい標準ズームの有無を確認。
- 中古 動画 4K:4K/10bit/長時間記録の熱管理・外部電源・手ぶれ補正の効き方・記録形式をチェック。
- 中古 小型 旅行:重量と小型レンズの充実を優先。バッグへの出し入れテストも有効。
- 中古 望遠 野鳥/運動会:AF追従・連写・IBISを重視。ボディ内とレンズ側補正の組み合わせ・ファインダー見やすさも確認。
購入後すぐの初期セットアップ
- ファームウェア更新:メーカー案内に沿って本体/レンズを最新化。機能安定やレンズ対応が改善されることがあります。
- 日時・初期化・カスタム設定を整える。ボタン配置やAF設定を自分の用途に合わせる。
- センサークリーニング:ブロアー中心。メーカー注意に従い、無理をしない。
- テスト撮影:静止画・動画・連写・長秒・カード同時記録・USB給電の動作確認。問題があれば期間内に販売元へ相談。
まとめ|中古でも安心して「使える1台」を選ぶコツ
使い道 → マウント → 買い方(保証) → 現物チェックの順で進めると、判断がシンプルになります。
店舗の保証規定やメーカーのサポート情報、ファーム更新の可否を事前に確認し、現物ではセンサー・シャッター・操作/記録系を落ち着いて点検。
フリマの価格が魅力的な場面もありますが、安心料(保証・初期不良対応)をどう評価するかが満足度の分かれ目です。
迷ったら、まずは保証つき中古の専門店で基準を体験してから、フリマに挑戦する方法もあります。
※本記事は一般公開情報を整理したもので、2025年9月20日時点の内容を想定しています。保証条件・サポート内容は変更されることがあります。購入前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。
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