先に結論。
写真メインで色の出方や直感的な操作を重視する人はキヤノン、レンズの選びやすさや被写体認識AF・動画のプロファイルまで幅広く見たい人はソニーを候補にしやすいです。
ただし片方を否定するのではなく、「何を撮るか(家族・運動会・野鳥・Vlog)」「予算」「将来のレンズ拡張」で決めると失敗しにくいです。
本記事はメーカー公式の公開情報を中心に、AFの仕組み・最新ボディの特徴・レンズ事情を整理します。キヤノンはDual Pixel CMOS AF、ソニーはAIベースのリアルタイム認識AFが軸です。
ミラーレスはキヤノンとソニーどっち?まず押さえる要点3つ
- AFの考え方:
キヤノンはDual Pixel CMOS AF。センサー上のほぼ全画素が位相差AFと撮影の両方を担える仕組みです。
ソニーはAI処理を使う被写体認識AFを各機で強化し、人物・動物・乗り物などを認識して追従します。 - レンズ拡張性:
ソニーのEマウントは純正+サードパーティAFレンズが豊富です。
キヤノンのRFマウントは純正が充実しつつ、近年はAPS-C向けRF-SでサードパーティAFが登場して選択肢が広がりました(フルサイズAFは段階的という見方が一般的です)。 - 動画機能:
キヤノンの上位機(例:EOS R5 Mark II)は8K/60p RAWやC-Log2に対応するなど動画性能が高めです。
ソニーはS-Log3やS-Cinetoneなどで“撮って出し〜グレーディング”まで幅広く対応できます。
キヤノンが向いている人|色と操作性の安心感・DPAFの滑らかな追従
色の自然さ・操作の分かりやすさに魅力を感じる人はキヤノンを選びやすいです。AFはDual Pixel CMOS AF(DPAF)系で、センサー全面での位相差と滑らかなピント移動が特長です。
最新世代ではディープラーニングを活用した被写体認識(人物・動物など)と組み合わせて追従性能を高めています。
最新トピックとして、EOS R5 Mark IIは高解像のフルサイズセンサー、強化された手ぶれ補正、8K/60p RAW、録画ランプなど動画現場の使い勝手にも配慮した設計です。
入門〜軽量志向ではEOS R50やEOS R100が候補です。R50は6Kオーバーサンプリング4Kなど動画も扱いやすく、R100は24.1MP APS-Cで小型・軽量。価格面も含めて最初の一台に検討しやすいクラスです。
ソニーが向いている人|レンズ選びの自由度とAI認識AF・動画プロファイル
レンズの選択肢を広く取りたい、被写体認識AFやS-Cinetone/S-Log3まで使ってみたい人はソニーが候補になりやすいです。
APS-Cではα6700がコンパクトながらAIベースの認識AFを搭載し、動画・静止画の両立に向きます。Vlog特化ならZV-E10 IIもあります。
動体に強い話題機としてα9 IIIがあります。フルサイズでグローバルシャッターを搭載し、高速連写や歪みの少ない撮影に配慮したモデルです。
どっちを選ぶ?用途別の最短ルート
用途 | キヤノンの推しポイント | ソニーの推しポイント | おすすめボディ例 | はじめのレンズ例 |
---|---|---|---|---|
家族・運動会 | 自然な色と直感的UI。純正望遠ズームが扱いやすい。 | AI認識AFで人物/動物の追従に配慮。連写設定が豊富。 | EOS R50 / R100|α6700 / ZV-E10 II | RF-S 55-210 など|E 70-350 など |
Vlog/YouTube | R50は4Kや配信機能が扱いやすい。 | ZVシリーズはUIが動画寄り。S-Cinetoneで撮って出しも。 | EOS R50|ZV-E10 II | 広角系の軽量ズームや単焦点 |
野鳥・飛行機 | 純正100-500mmなどで描写と操作のバランス。 | Eマウントは200-600mmなど選択肢が広い。 | EOS R5 Mark II 等|α9 III 等 | 超望遠ズーム(純正/サードパーティ含む) |
※具体的な価格は変動が大きいため、購入時点の公式情報をご確認ください。
上の用途はあくまで目安です。店頭で「AF追従・手ぶれ補正・ファインダーの見え」を試すと違いがわかりやすいです。R50/R100、α6700、ZV-E10 IIといった入門〜中級機でも、操作感や被写体認識の傾向に違いがあります。
動画重視で比べる:C-Log2とS-Log3/S-Cinetoneの考え方
キヤノン:上位機では8K/60p RAWなど高い記録モードに対応し、C-Log2でグレーディングの自由度も確保しやすい設計です。映像制作の現場を意識したインジケーター(録画ランプ)なども用意されています。
ソニー:多くの機種でS-Log3やS-Cinetoneが使えます。S-Cinetoneは“撮って出し”の質感づくりに向き、グレーディング時間を短くしたい人に向いています。
どちらも編集環境・ワークフローと相性の良いほうを選ぶのが近道です。撮って出し重視ならソニー寄り、高解像・高ビットレートで編集前提ならキヤノン上位機も選択肢に入ります。
レンズで比べる:いま買いやすい選択肢と将来の拡張性
ソニーEマウントは純正に加え、Sigma・TamronなどサードパーティAFレンズが豊富です。焦点域・価格帯の幅が広く、中古市場でも母数が大きく選びやすい傾向があります。
キヤノンRFマウントは純正ラインナップが順次拡大しつつ、APS-C向けにRF-S対応のサードパーティAFレンズが登場して選択肢が増えました。
一方、フルサイズ用のサードパーティAFレンズはメーカーの方針により段階的という見方が一般的で、2025年時点では「今後に期待」というスタンスが多い状況です。購入時は最新の公式発表も確認してください。
具体例として、APS-C向けのSigma 18-50mm F2.8 DC DN | C(RFマウント版)など、軽量で明るい標準ズームははじめの一本として人気の構成になりやすいです。
初心者にやさしい始め方:失敗しにくい3ステップ
- 撮るものを1位〜3位まで決める(人・運動会・旅行・動画・ペットなど)。
- ボディ+標準ズーム+(望遠 or 明るい単焦点)の2本目までを想定する。
- 店頭でAF追従・手ぶれ補正・ファインダーの見えを試す。違いは触るとわかります。
よくある質問(FAQ)
- Q. スマホから乗り換え。最初の1本は?
- まずは軽い標準ズーム。人物が多いなら50mm前後の明るい単焦点を追加すると背景がきれいにぼけます。
- Q. 動画もやりたい。どっちが有利?
- 撮って出し重視ならS-Cinetoneが便利なソニー機が候補です。カラグレ前提で8K/RAWやC-Log2を活かしたいならキヤノン上位機も検討対象です。
- Q. 動体(運動会・野鳥)に強いのは?
- どちらも上位機で強化されています。たとえばソニーα9 IIIはグローバルシャッターでローリング歪みを抑えた撮影に配慮した設計です。キヤノンも上位機でAF追従や連写が充実しています。実際の撮影環境での体験が選定の近道です。
- Q. レンズは安く揃えたい。どっち?
- 現状、ソニーEマウントはサードパーティAFが豊富で価格帯の幅も広いです。キヤノンもAPS-C(RF-S)向けで選択肢が増えました。フルサイズAFは今後の発表に注目してください。
- Q. 情報が新しいか不安です。
- 本記事は2025年時点の一般公開情報を整理したもので、モデル追加や仕様更新が行われる場合があります。購入前にメーカー公式ページで最新情報をご確認ください。確実な情報が見つからない場合は「確実な情報は確認できませんでした」と注記します。
図解(テキスト版):AFのイメージ
- キヤノン:センサー上の各画素がAFと撮像を両方担当 → ピント移動がなめらかで、動画でも使いやすい設計。
- ソニー:AI処理で被写体(人・動物・車など)を認識 → “誰に”ピントを合わせるかを賢く判断。
まとめ:ミラーレスは「撮るもの×拡張性」で選べばOK
家族や運動会が中心なら、まずは軽いボディ+標準ズーム+望遠の2本体制を想定しましょう。
動画重視ならS-CinetoneやC-Log2などカラー設定・記録モードを基準に選ぶと迷いにくいです。
野鳥・飛行機なら連写・AF追従・超望遠の選択肢を見比べましょう。
キヤノンもソニーも優れています。あなたの目的に合う方を、自信を持って選べば大丈夫です。
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